注文住宅を建てようとしたら、どこに相談すればいいのでしょうか?
何が違うか知っていますか?
CMをやっている住宅会社であっても、どこがどんな家を建ててくれるのか、どんな仕組みなのかなんてわからないですよね。
でも、どんな会社かわからないところに一生住む家を建てるのを任せることができますか?
不安を抱えながら相談するのではなく、安心して家を任せられる住宅会社を見つけたいですよね。
そのために、今回は「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」の違いを詳しく解説していきます。
どの会社が「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」に分類されるのかについてもご紹介していきますので、すでに注文住宅の相談をされている方もどんな会社に相談しているのかについて参考にしてみてください。
ハウスメーカーとは?
注文住宅を建てようとした時に、思い浮かべる会社の大半がこの「ハウスメーカー」だと思います。
しかし、同じハウスメーカーでも直販型とフランチャイズ型の2種類があることをご存知ですか?
それでは、直販型とフランチャイズ型の違いについてご紹介していきます。
直販型のハウスメーカー
・・・ダイワハウス、積水ハウス、ミサワホームなど
直販型は全ての工程をハウスメーカーの社員が直接担当してくれます。
工程とは?
- 営業
- 設計
- 工事管理
- アフターサービス
- 商品開発
- 資材供給
- 契約
- 保証
直販型の場合、営業担当の社員が打ち合わせを行い、間取り提案・設計・見積もりまで対応し、契約まで担当してくれます。
営業からアフターサービスまで同じ社員が担当してくれる一貫体制をとっています。
直販型のハウスメーカーの中には、設計を外部の設計事務所に担当させることもあったり、建築工事を下請けの工務店に委託する会社もあります。
フランチャイズ型のハウスメーカー
・・・クレバリーホーム、アイフルホーム、ユニバーサルホームなど
フランチャイズ型では、本部のハウスメーカーと代理店が担当する工程がそれぞれあります。
代理店が担当する工程
- 営業
- 設計
- 工事管理
- アフターサービス
- 契約
- 保証
本部のハウスメーカーが担当する工程
- 商品開発
- 資材供給
代理店は本部のハウスメーカーのブランド力を借りて、営業しています。
そのため、実質は工務店ということがほとんどです。
直販型とフランチャイズ型の大きな違いとは?
直販型とフランチャイズ型では、直接相談しているハウスメーカーの社員が担当する工程が異なるとご紹介しました。
その工程の中でご注意いただきたい工程があるのでご紹介します。
それが、契約と保証です。
直販型のハウスメーカーの場合、契約も保証も全て家づくりを依頼したハウスメーカーが行ってくれます。
しかし、フランチャイズ型のハウスメーカーの場合、契約と保証は代理店が行います。
もし、契約上のトラブルや引き渡し後の保証で代理店に問題があったとしても、本部のハウスメーカーは何も対応してくれません。
フランチャイズ型の場合、実質対応してくれるのは工務店になります。
本部のハウスメーカーのブランドを信じて代理店で契約しても、契約や保証に関してはその本部は一切関与してくれないのが現実です。
フランチャイズ型のハウスメーカーで契約する場合は、代理店である工務店の財務内容や評判を事前に調べておかないと、ブランド力だけを信じて契約してしまっては契約後に何かあった場合に泣き寝入りするしかなくなってしまいますので注意が必要なんです。
ハウスメーカーの間取り提案
ハウスメーカーには「規格型住宅」と「自由設計」の2種類から選ぶことができます。
規格型住宅とは?
規格型住宅は、間取りや窓の大きさ位置などの規格がすでに決められた家のことで、カタログやモデルハウスを見て、選ぶ住宅です。
壁や床、内装などは自由に決めることができます。
自由設計とは?
全て自由に設計できるというわけではなく、それぞれのハウスメーカーの工法に合わせて設計する住宅です。
ハウスメーカーの工法・設計の自由度
ハウスメーカーの工法には木質系・鉄骨系・ユニット系があります。
木質系・・・木造住宅
木質系の中でも、軸組(在来)工法・枠組(2×4)工法・木質パネル工法があり、設計の自由度が高くなるのは、軸組(在来)工法・枠組(2×4)工法です。
木質パネル工法の場合、軸組工法に耐力壁となるパネルを組み合わせており、パネル配置に制限があるので、制限を超えての設計をすることができないため、軸組(在来)工法・枠組(2×4)工法よりも自由度は低くなります。
- 軸組(在来)工法のハウスメーカー例・・・住友林業、一条工務店など
- 枠組(2×4)工法のハウスメーカー例・・・三井ホーム、三菱地所ホームなど
- 木質パネル工法のハウスメーカー例・・・ミサワホームなど
鉄骨系・・・鉄骨住宅
鉄骨系のほとんどが型式認定工法で造られるため、木質系よりも設計の自由度は低くなります。
- 鉄骨系のハウスメーカー例・・・積水ハウス、ヘーベルハウスなど
ユニット系
工場で鉄骨ラーメン構造のユニットを製造してから、現地で組み立てる工法です。
ユニット単位の制限がかかるため、自由度は木質系、鉄骨系に比べて一番低くなります。
- ユニット系のハウスメーカー例・・・セキスイハイムなど
工務店とは?
工務店は一番身近な住宅会社です。
工務店の中でも仕事の受注方法、建て方に違いがありますので、ご紹介していきましょう。
工務店の種類
- 自社で設計・施工して家を建てる工務店
- 設計は他社で、施工のみを請け負っている工務店
- ハウスメーカーの下請けのみ行っている工務店
工務店で建てる場合は、A、Bをしている工務店に依頼することになります。
Cの工務店の場合、直接の依頼は請け負っていないので、工務店で家を建てたいと考えているならば工務店の種類のどれに当てはまるかを確認してから依頼する必要があります。
注文住宅の資料請求サイト(SUUMOやLIFULL HOME’S)に掲載されている工務店であればA、Bの工務店なのでインターネットで簡単に検索するとわかりますよ。
工務店の間取り提案
ハウスメーカーのように、規格があったり、制限があることは、工務店にはありません。
しかし、工務店によって、間取りプランのプランニング力は変わってきます。
工務店には昔ながらのイメージが先行して、デザインも古そうと思われがちですが、工務店によって変わります。
そこで、工務店のプランニング力を図るために「過去の実績」を見せてもらいましょう。
過去の間取りプランを見せてもらいながら
- どんな意図があってこの設計にしたのか(玄関と階段の配置やリビングの位置、動線など)
- 家主のどんな要望に対して、この設計にしたのか
などをヒアリングすることによって、間取りのプランニング力を図ることができます。
設計事務所とは?
テレビで建築士に依頼してオシャレな家を見たことがある人が多いと思います。
このように、設計事務所に依頼するとデザイン性の高い家を建てることができます。
建築士は設計ができるくらいだから何でも知っている人と思われがちなのですが、実は構造力学という建物の安全性に関わることを知らない人が多いんです。
また、オシャレなデザインにこだわることで、施工不可能なデザインをしてしまう建築士もいるそうです。
設計事務所に依頼する際は、契約前に過去に設計した家を見せてもらったりとか、実際にその家に住んでいる方に話を聞く機会をもらうようにした方が良いです。
設計事務所に依頼すれば、オシャレさは満たされるかもしれませんが、安全性に不安が残れば住み心地は悪くなってしまいます。
安全性もしっかり配慮してくれる設計事務所であれば、オシャレで快適な家を建てることができるはずです。
設計事務所の間取り提案
設計事務所の間取りは、先ほどもお伝えした通りデザイン性が高く、またプレゼンテーション能力も高いです。
プレゼンテーションの際に、出来上がった家のパース(全体のデザイン画のようなもの)を見せてくれます。
これがすごく素敵に描かれているので、
と思ってしまいがちですが、ここでも注意が必要なんです。
多くの家の外観パースは20m先から見た絵が描かれています。
しかし、実際には家の外観を20m先から見ることはできないですよね。
敷地の前面道路の幅が5mしかない場合でも20m先からの絵で表現されてしまうため、出来上がった家を見た時に
と感じてしまいがちなんです。
また、先ほどご紹介したように、デザイン性にこだわって安全性に不安のある家を提案されることにも注意が必要です。
よく設計事務所の建築士が設計した家で問題になるのが、雨漏りです。
防水の知識が少ないため、新築なのに雨漏り問題に悩まされることがあるそうですので注意が必要です。
「ハウスメーカー」「工務店」「設計事務所」にはそれぞれメリット・デメリットがあることがわかりましたでしょうか?
同じハウスメーカーでも、会社によってできる家は違います。
と安易に決めるのではなく、どこの会社なら自分の理想の家が建てられるかということを考えて比較検討することが大切です。
こちらで、後悔しないための家づくりのための住宅会社の選び方をご紹介していますので、住宅会社を選ぶ際の参考にしてみてくださいね。
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