それぞれの工法に分けて、耐震性能の特徴についてまとめてみました。
ミサワホームの3つの工法についてはこちらで紹介しています
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ミサワホームの3つの工法とは?ミサワホーム定番のセンチュリーモノコック構法についても解説!
FP 今回は、ミサワホームの3つの工法について紹介します。 ミサワホームの工法は大きく分けて3つ! ミサワホームの3つの工法 木質パネル工法【木質系住宅】 鉄骨工法【鉄骨系住宅】 木造軸組工法【耐震木 …
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3つの工法に合わせた耐震性とは?
木質系住宅の耐震性の特徴は?
木質系住宅の耐震性の特徴
- 面接合で強固な一体構造の「モノコック構造」
- 約1.3倍のせん断耐力だから高耐力
- 荷重に対してモノコック構造と一体で働く連続布基礎
- 接合強度を高めるオリジナルアンカーボルト
① 面接合で強固な一体構造の「モノコック構造」
ミサワホーム木質系住宅の「木質パネル接着工法」は、パネル同士を面として強力な接着材で接着接合し、スクリュー釘で釘留めした強固な構造となっています。
すぐれた一体構造で、床・壁・屋根どの方向からの荷重でも建物全体で受け止め、力を分散してくれます。
木質パネルは、骨組みと面材を一体化させることで、全体の強度を高めるストレススキン効果を活用した強固な壁体となっています。
両者をより強固に結合するほど、高い効果が働き、角材と合板が接着によりしっかりと接合されたパネルの剛性は、釘接合による剛性の約2倍です。
② 約1.3倍のせん断耐力だから高耐力
センチュリーモノコックは標準で高耐力仕様なので、従来と比較すると耐力壁のせん断耐力は約1.3倍となります。
強固な耐力壁で、全棟最高耐震等級が目指されています。
③ 荷重に対してモノコック構造と一体で働く連続布基礎
内周耐力壁、外周壁部分の下は、布基礎となっています。
建物一体をモノコック構造としているため、荷重は基礎の一部分に集中せず、壁面から1階床面へと伝わる自重や地震力・風圧力などの外力を、基礎全体で受け止めてバランスよく地盤に分散させてくれます。
④ 接合強度を高めるオリジナルアンカーボルト
引き抜きの力に強いミサワホーム独自形状のアンカーボルトに加えて、高耐力の結合材金物を併用し、基礎との結合耐力が確保されています。
独自のCADシステムによって適切な設置位置と数量を計算され、基礎と建物との断裂を防いでくれます。
鉄骨系住宅の耐震性の特徴は?
鉄骨系住宅の耐震性の特徴
- 地震に強いハイブリッド住宅
- 「ユニット単体」が備え持つ強さ
- 「ユニット工法」による組み合わせによる強度
- 外力を受け止める連続基礎
① 地震に強いハイブリッド住宅
鉄骨フレームでつくられたルームサイズのボックスに、外壁から住設備まで取り付けたユニットを、施工現場へ輸送して組み立てられます。
個々のユニットは、鉄骨の柱と梁を剛接合した「鉄骨ラーメン構造」となり、理想的な耐震構造を生み出しています。
② 「ユニット単体」が備え持つ強さ
「実大ユニット長辺方向水平加力実験」で、1ユニットが101.6kNの外力に耐えることが確認されています。
強靭な鋼の特性をいかした、靱性型の鉄骨ラーメン構造が採用され、中規模の地震にはわずかな変形で耐え、大地震の際は変形せず耐えて倒壊しない、高い耐震性があります。
③ 「ユニット工法」による組み合わせによる強度
独立した構造体が互いを支え合い、一度に倒壊することがありません。
さらに、地震などの揺れが外壁に直接伝わらないカーテンウォール工法が採用されています。
スライド可能な特殊接合金物を取り付けるなど、地震発生時の脱落やヒビ割れなどの危険性を最小限に抑えてくれます。
④ 外力を受け止める連続布基礎
連続基礎はユニットの柱から伝わる外力を受け止め、バランス良く地盤に分散してくれます。
水平に連続した上端筋と下端筋には、直径16㎜以上の異形鉄筋が採用されていて、あばら筋と呼ぶ鉄筋でつなぐ組立鉄筋工法となっています。
鉄筋の接合部は「全強度鉄筋交差溶接」と呼ぶ接合方法によって強度が確保されています。
基礎とユニットは、基礎側に設置した直径40㎜のシース管にユニット側のアンカーボルトが差し込まれ、緊結されています。
シース管には、コンクリートの2倍以上の圧縮強度を持つ、高強度無収縮モルタルを流し込むことにより、地震などの外力で引抜き力がかかってもユニットをしっかりとつなぎとめられています。
耐震木造住宅の耐震性の特徴は?
耐震木造住宅の耐震性の特徴
- 面の力をプラスした強固な一体構造
- 「MJ開口フレーム」は開口部を耐力壁に!
- 「剛床」で地震時の歪みを抑える
① 面の力をプラスした強固な一体構造
外壁、床、屋根部には、構造用合板を用いて強固な「面」が構成されています。
これにより、バランスよく耐力壁を配置できます。
接合部には「MJメタルジョイント」を採用し、地震などの力が接合部に集中しない一体構造となっています。
外周部は、壁倍率4.5倍(シングル筋かい+構造用合板)、6.5倍(ダブル筋かい+構造用合板)相当の耐力壁とすることも可能です。
従来の木造軸組工法 | 「MJ Wood」の面構造 |
柱・梁の結合部に荷重が集中し、変形しやすい | 家全体が強固な構造で、高い耐震性能を発揮 |
② 「MJ開口フレーム」は開口部を耐力壁に!
従来の木造住宅は、大開口や大空間を設けた場合、強さの中心「剛心」と重さの中心「重心」の距離(偏心距離)が大きくなり、地震などの際にねじれが生じやすいという懸念がありました。
「MJ開口フレーム」は、開口部に取り付けることで、偏心距離を小さくし、ねじれを抑えられます。
それにより、木造住宅にはなかった大開口・大空間と高耐震性の両立が可能となりました。
フレーム自体が一体となって働くように、コーナー接合部分には、専用金物や、鋼板の約5倍の引張強度をもち、防弾チョッキにも使用されるアラミド繊維が採用されています。
③ 「剛床」で地震時の歪みを抑える
地震の際、建物に歪みやねじれによる変形に対抗するのに重要となるのが、床の強度です。
ミサワホームの1階・2階の床材には、24mm厚の構造用合板が使用され、接合力の高いN釘(75mm)によって150mm間隔での釘打ちを実施した「剛床」が採用されています。
住宅性能表示制度の基準をクリアする床剛性となっています。
制震装置「MGEO」とは?
工法の特性に合わせて、最適な装置が開発されています。
制震装置「MGEO」とは?
制震ダンパーには、2枚の「高減衰ゴム」が使用されています。
変形を熱エネルギーに変換し、震動を吸収し、壁の内部に組み込まれるため、温度変化や紫外線の影響をほとんど受けません。
劣化促進実験では、高い耐久性が確認されています。
- 木質系住宅・・・MGEO
- 鉄骨系住宅・・・MGEO-H
- 耐震木造住宅・・・MGEO-N
揺れを制御する仕組み
- 地震が発生すると、地震のエネルギーが建物にかかる。
- テコの原理を応用し、センターパネルが地震エネルギーを制震ダンパーに効果的に伝える。
- パネル上下の制震ダンパー部の「高減衰ゴム」が伸縮し、地震エネルギーを熱エネルギーに変換・吸収して、揺れを制御する。